マジシャンはよくトランプのことをカード、
トランプマジックのことをカードマジックと呼びます。
トランプとカード、
何が違うのか分かりますか?
マジシャンが使うトランプはほとんど海外製なんですが、
もし東急ハンズや量販店なので見かけたら、よーく調べてください。
実はこの商品には、
どこにもトランプなんて書かれていないのですよ。
そう、実は”トランプ”っていうの、日本だけなんです!
”トランプ”って呼ぶのは日本だけ?
実はあのカードを”トランプ”と呼ぶのって、
日本人だけなんです。
なので、海外で『トランプゲームやろうぜ!』と言っても
通じませんのでご注意を。
海外ではあのカードは通常”Playing Card(プレイングカード)”と呼ばれます。
ゲーム用のカード、という意味ですね。
ではなぜ、日本だけプレイングカードを”トランプ”と呼ぶようになってしまったのか?
トランプは英語でTrump、切り札という意味があります。
なので名称ではなく、ゲームの最中に発せられる掛け声だったようです。
どうやらポルトガルなどからゲーム用のカードが入ってきたとき
ゲーム中に”トランプ!”と叫んでいるのを聞いて、
日本人はこう思ったらしいです。
『あー、あのものは”トランプ”という名前なんだな。』
それ以来日本ではあれを”トランプ”と呼ぶようになりました。
まあ和製英語のようなものですね。
で、もちろん海外では”カード”ですから、
それを使ったマジックも”カードマジック”と呼ぶのが本来の呼び方だということです。
まあ、少なくとも日本ではどちらでも通じますので、
明日使える豆知識程度に覚えておいていただければと思います。
ただ、
他にも日本特有の”トランプ”文化があるのです。
紙?プラスチック?
ここからは”トランプ”と統一して書いていきますが、
そもそもトランプはゲーム用のカード。
そしてその”ゲーム”とは海外ではほとんどの場合”ギャンブル”、
つまりお金をかけるゲーム用のものなのですね。
そして、
トランプをこれほどお金をかけないゲームに使う国は
日本くらいでしょう。
なのでその材質に大きな違いがあります。
カジノなどではゲームごとに新品のトランプを開封し、
1度使ったものはゲームには使われなくなります。
これはいかさま防止のため。
例えば裏に傷がついたり、折癖が付いたものなどは何のカードが分かってしまいますからね。
つまり海外ではトランプは消耗品。
なので材質は良くても、紙製で非常に安価です。
恐らくトランプ1組1~2ドルほどではないでしょうか。
対して日本はババ抜きや七並べなどのゲームにずっと使えるように、
プラスチック製が主流なんです。
基本的にはお金をかけないので、
カードに傷がついたりしても問題ありませんからね。
それよりも耐久性が重視されているわけです。
プラスチック製の1,000円のトランプを買う国は
日本だけでしょう。
大きい?小さい?
実はトランプのサイズも、
大きく分けて2種類あるの知ってました?
左がブリッジサイズ。横幅約57mm。
そして右がポーカーサイズ。横幅約63mmです。
ポーカーサイズのポーカーはもちろんカジノゲームのポーカーですね。
最大でも持ち札が5枚なので、見えやすいように大きめのサイズ。
対してブリッジサイズのブリッジもゲームの名前。
正確にはコントラクトブリッジ。
日本ではあまり知られていませんが、世界的にはポピュラーなゲームです。
日本にも日本コントラクトブリッジ連盟はあるのですよ。
ブリッジの持ち札は1人13枚ずつ。
なので多くてもカードの柄が見えやすいように幅が狭いブリッジサイズができました。
日本に最初に持ち込まれたのがブリッジサイズだったのか、
あるいはカードを多く配るゲームが多かったからなのかは分かりませんが、
日本ではブリッジサイズが主流。
なのでブリッジサイズに慣れている日本人からすると、
ポーカーサイズは持ちづらく感じるかもしれませんね。
ということで、
日本はプラスチック製の幅の狭いトランプをずっと使う、
変わった文化の国だということがお分かりいただけたと思います。
それも日本の良さの一つなのかもしれませんね。
ちなみにアメリカ製のバイシクルでもブリッジサイズは販売されています。
そしてこちらはポーカーサイズ。
手に取って比べてみても面白いかもしれません。
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